誌上特別講義“+α” vol.1

知っていれば受験に役立つ(!?)各科目からの小話をお届けするコーナー

G. Gamow 「宝探し問題」-'83自治医大 (数学科 佐藤保幸講師)

数 学 科  佐 藤  保 幸
数 学 科  佐 藤 保 幸

【問題】ある青年が,曾祖父の遺品の中から,宝物を埋めてある場所を書いた紙片を見つけた。 「広大な草原に桜の木と梅の木と松の木が一本ずつさびしく立っている。松から桜に向かって歩数を数えながら歩け。桜の木に着いたら右へ90°向きを変え,さらに同じ歩数だけ歩け。そしてそこに棒を立てよ。また,松から梅に向かって歩数を数えながら歩け。梅の木についたら左へ90°向きを変え,さらに同じ歩数だけ歩け。そこにも棒を立てよ。2 本の棒の中間点に宝が埋めてある。」 青年が草原に来てみると,松の木は松くい虫に枯らされたか,跡形もなかった。青年は宝探しをあきらめた。 この青年に代わって宝のありかをつきとめてもらいたい。

(G.Gamow「宝探し問題」’ 83 自治医大)

 

この問いに答えるには,複素数かベクトル& 一次変換が有効でしょう。作者のG.Gamow はビッグバン理論の提唱者として有名な理論物理学者です。宇宙がビッグバンと呼ばれる大爆発からスタートし,宇宙の組成物質がビッグバン後の数分間で生成された,という内容のものです。彼は,1948 年4 月1 日のエイプリルフールに,α-β-γ理論という論文を発表しました。この論文の名前は,共同執筆者であるアルファ,ベーテ,ガモフの3 人の名前からとったものですが,ガモフの茶目っ気として,2 人の名前を借りたものだそうで,事実上は彼一人で書き上げたネタのような論文だったそうです。簡単に言えば,天才ですね。一般向けの物理の啓蒙書も執筆し,1940 年にケンブリッジ大学出版局から出版された「不思議の国のトムキンス( Mr.Tompkins in Wonderland) 」では,主人公トムキンスが夢の中で,相対性理論や量子力学の効果を体験できる不思議な世界に入り込む,という非日常的な物理の世界を描いたりしました。

 

この問題は非常に世界的に有名な問題ながら、入試にも用いられたという問題。

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