誌上特別講義“+α” vol.3

知っていれば受験に役立つ(!?)、各科目の先生から、 毎回ちょっとした小話をお届けするコーナー。

担当:若林先生 ~記憶についてのお話~

若 林 正 彦 講師
若 林 正 彦 講師

 今回は、「記憶」ということについてお話します。
 記憶は、脳のどこで行われるか知っていますか?実は記憶は脳全体で行うのではなく、「海馬」という場所が主に関わって行われます。海馬は英語では「hippocampus(タツノオトシゴという意味)」と言います。本当に、形がタツノオトシゴに似ているんです。
 記憶は、最初、「短期記憶」という状態で蓄えられ、その一部は、「長期記憶」という、半永久的に残る記憶に変化していきます。この、短期記憶から長期記憶への変換を行うところが海馬なのです。
  受験勉強で、化学式などを一生懸命覚えたとします。そのときはかなり覚えたとしても、これはまだ短期記憶の状態です。放置すれば一か月もたてば忘れていま す。これはごく当たり前のことであり、決して記憶力が悪いわけではありません。忘れてしまうのは、覚えた化学式が、短期記憶のまま消滅してしまったからで す。
 すると、誰でも長期記憶にする方法を知りたくなりますね。実は、この長期記憶に変換する最もポピュラーな方法が、「リハーサル」という方法 なのです。いったん覚えたことを反芻する。そのときに海馬が働き、短期記憶を長期記憶に変えていきます。だから、私は、授業中、テキストは最低3回繰り返 せと、まさに繰り返し言うわけです(笑)。
 さらにわかっていることがあります。海馬は、「扁桃体」という部位と隣り合わせになっています。扁桃 体は、「好き嫌い」の感情に大きく関わると言われています。記憶するときに、この扁桃体が同時に働くと、長期記憶になりやすいのです。つまり、覚えるとき に、「好き」という感情を持ったまま覚えたほうが、はるかに効率が良いわけです。だから、できれば「ただの化学式」ではなく、「ラブリーな化学式」と思っ て覚えたほうが、はるかに良く覚えられると思いますよ。