[Web限定配信] 受験で必要なのは,暗記?それとも理解?

「暗記するのと,わかるまで考えるのと,どちらがいいんでしょうか?」

教科を問わず,よく出る質問です。

答えは,「両方必要」です。覚えるべきものは丸暗記しなければならないし,考えるプロセスが重要なこともある。これは,あらゆる教科,あらゆる勉強に当てはまります。どの分野・どの問題に,どれだけ考えるプロセスが必要かは教科によって異なります。また,受験勉強の初めの期間は,理解・考えるプロセスに時間を割くべきだし,後半には,覚える作業に時間を割くべきです。受験勉強の進度によっても,バランスは変わるわけですね。

すべて丸暗記で済まそう,ということもよく言われますが,それができる人がいればそうすればいいだけのこと。ほとんどの人にとっては,暗記する前の「理解」が必要です。
理屈抜きで覚える作業は,江戸時代の寺子屋なんかで行われた,漢文の「素読」などに見られるように,語学の習得プロセスにおいては,一定の効果があるメソッドであり得ます。しかし,時間の限られた受験生にとっては,すべてを丸暗記する時間がないことは確かです。だからこそ,仕組み・理由を理解して,それから覚え,忘れても「思い出せる」状態に持って行くのです。

すべてをきちんと理解してからでなければ先に進めない研究者資質の人もいます。それはそれで,結構ですが,受験生としては,マイナスです。勉強は,全体が見えると,部分が見えてきたりすることもあります。時には割り切って,わからないことをわからないままにして先に進むことも大切です。ただし,どこがわからなかったか記録を残すこと,そして,必ず何回も繰り返すこと,これらを忘れないでください。

最近,「暗記主義」を批判し,なんでも説明尽くそうとする参考書がちらほら出てきました。説明してくれるのは大変ありがたいのですが,暗記をムダと切り捨てるのは行きすぎです。正しい姿勢は,説明を理解した上で覚える,です。

受験生にとって最も必要な徳目は,やはり「中庸」です。どちらかに偏った勉強はNGということですね●