[Web限定配信] 相変わらず出鱈目が多い小論文指導

小論文の参考書を見ると,

新聞のコラムを読め
社説を読め
投書欄を読め

など,日常的な新聞購読を勧めるものがおおい。
購読を勧めるのはまだ良いが,コラム・社説を参考にせよ,とまで言う。

はっきり言って,出鱈目です。

まず,新聞を読んだ方が良い,というアドバイスの理由とされているものには,ベテランの記者の「論理的」文章を読める,参考に出来る,というのがある。

新聞のコラムの特徴は,「アピール」だ。 その結果,論理よりも,飛躍,想像力を利かせた「読ませる」文章がはびこることになる。

新聞のコラムも社説も,決して論理的ではない。
コラムは,主題に一見関係ない身近な問題から説き起こして,言いたいことに,無理やり結びつける。この飛躍やアナロジーの巧みさが,読ませる文章の完成度を決めるのである。

社説は,あまりに政治的である。政治的ということは,スポンサーの意向に論理が左右されるということである。TPP参加をめぐる議論を見ると,大新聞マスコミすべてが賛成一色。戦時中の大本営発表さながらの不気味さである。これだけたくさんのイシューがある問題に,マスコミの論理が一色であるはずがない。論理の歪みが出てくるのは,必然である。

こんな,いまの日本の新聞記事の性質を分かっていて,あえて「新聞を参考にしよう」と言える小論文指導者が言えるとしたら,それは,どこからかスポンサーが出ているか,本当の愚か者か,どっちかだと考えてよい。

新聞を読めというのなら,学者・専門家のオピニオン欄を読んで参考にするのはよい。
ただし,文章の模範としてではなく,あくまでもネタ,知識獲得として利用するのが良い。

大学入試小論文の文体見本として利用できるのは,司法試験等の論文解答である。
字数が決まっている中で,出題に対して,意見と根拠を,わかりやすく叙述する。
これをひな型に,練習を積むのが良い●