教室長から皆さんへ

 塾長談話の中で、勉強のできない原因・理由についての言及がありました。EKMには、ほぼ完ぺきな王道の勉強法と、それを支える人的・物的資源が あるのだから、それに従いさえすれば目標達成は容易です。ところが、「意志が弱かったり、体力がなかったり、家族や友人などの親しい人の愛に流されたり、 仕事に追われたりしながら、きちんとした勉強を計画通りに進めることができない」せいで、せっかくのよい環境を活用しきれないことがあるというお話でし た。


 怠慢とか悪質なサボリは、発見次第、バッサバッサと斬っていきます。一方で、いい人だからこそ、頑張り屋さんだからこそ生じてくる問題も少なくありません。


 私の職責は、これを防ぎ、解説することです。皆さんがこうした“罠"に陥る前に、一人ひとりの人格的特徴をふまえて予防線を張ったり、それでも、慣性の 法則に従って突き進んでしまうという場合には直前で警告をしたり、それも聞かず(効かず)に衝突事故・落下事故が起こってしまった場合にはそこから救出し たり。


 弛んでいれば、叱咤。甘えならば、ちょっぴり甘えさせた後に激励。弱って困惑しきっていれば、傾聴。その後、具体的な解決策を提示します。そして、再び自らの力で歩き出すべく背中を押します。


 願わくは、私の出番がないことを!他の教科講師の先生方と同じく、担当ゼミの時間に皆さんと教室でお会いして、楽しく講義・質疑応答を行うだけ一年が過 ぎますように!皆さんが、塾長が示す王道の勉強法の下、教科講師陣と共にそれを実践し、事務局スタッフによるサポートに身を委ね、何事もなく合格まで一直 線に進んでくれますように!


 しかしながら、過酷と残酷をきわめる医学部受験。この最難関に「逆境」から挑戦する場合には、壁にぶつかることがデフォルトであると言っても過言ではあ りません。少なからぬ人が、これからの10か月のうちに少なくとも一度や二度は、悩みや不安を抱えて膝をつきあわせて何時間も話し込む経験をすることにな ると思います。お会いする時を楽しみにしています(笑)。


 ところで、ここで、お願いがふたつあります。
ひとつ目。この一年間、前述の事情・職責から、原則として、むやみに褒めたりはしません。受験勉強に伴う困難を克服するためには、人格改造・改良を必要とすることもありますから、場合によっては、むしろかなり厳しい言葉をかけることもあろうかと思います。


 「受験生時代に叱られたときのことは、いま思い出しても背筋が凍ります」と笑って話す卒業生がどれだけいることか。闇夜にも背後を気にせず今まで生きて こられたことに感謝しなければいけないかもしれません(笑)。いずれにせよ、あなたの未来に責任を感じているからこその厳しさを、どうかご容赦ください。


 それから、ふたつ目。こういう厳しい関係性が成り立つために欠かせないのが、あなたと私の「信頼」関係です。信じあいましょうということです。皆さんの 中には、これまでの人生において、家庭、学校、会社、その他あらゆる集団の中の人間関係において、簡単には人を信じないという習性を身につけている人もい るかもしれません。ましてや「先生」なんか信用ならないし、なるべく頼りたくないというポリシーの方もいるでしょう。実は、私自身はそういう人間でしたか ら、よくわかります(笑)。


 しかし、そのポリシーに基づいて一人で勉強したければ、自宅で独学すればよかったですし、授業以外のお節介は不要だと思うなら、大手予備校さんに行けば よかったはず。それをわざわざ、暑苦しいぐらいに細々と世話を焼いてくるこのEKMに入ってきたからには、この環境と特長を最大限に利用して頂きたい次第 です。


 念のため、「他人の純粋な善意や熱意なんてとても信用できない」という、007ことジェームズ・ボンドやゴルゴ13並みに疑い深い方に、ひとつお伝えし ておきましょう。私たちにとって、あなたの学力が上がらない/あなたが志望校・志望学部に合格しないことは死活問題です。1万歩譲って、仮に、私たちが “商売"を主眼として皆さんの指導を請け負っているとしましょう。皆さんの学力が伸びて合格してくれなければ、どうなるか?合格者がほとんどいない?ゼ ロ?そんな予備校は、もちろんすぐに潰れてしまうでしょう。


 ここで、EKMの塾生受入れ方針を思い出してください。年齢・経歴・学力不問/むしろ逆境にある人こそ応援しよう/そして、学力だけでなく各家庭・個人 の経済状況に応じて特待も出そう…。あなたが人生をかけて医受験に挑戦しているのと同じに、私たちも、学校・会社の運命を賭けて、塾長と私に至ってはなけ なしの私財を投じて、まさに命を懸けて、皆さんを受け入れて指導しているんだということを、わかって頂けたらと思います。


 最後に。多様な背景・経験をもつ皆さんが、自らの進路を、自ら決定して、人生を切り開くべく、懸命に学ぶ ― このこと自体に、最高の価値があると思います。さらに素晴らしいことに、皆さんが目標とする医療職は、弱った命、困った人を直接に癒して救う、文句なしに かけがえのない価値のある仕事であるということです。


 強くなろう、賢くなろう、そして一日も早く夢を叶えて、そして、一人でもひとつでも多くの命を救ってください。心からお願いします。


        (教室長・瀬戸雅美)